Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

選抜情報倶楽部

いま、世の中は情報が氾濫し、情報を目にしない日はありません。クラシック音楽も同様で、コンサート、イヴェント、音楽祭、講演、マスタークラスをはじめ、各種の情報がいろんな形で紹介されています。このコンテンツでは、そうした膨大な情報のなかから、いま聴いておきたいコンサートなどをピックアップ。音楽に関連した映画、書籍、さらに絵画展なども紹介したいと思います。かなり先のコンサートばかりでなく、今週や来週に迫り、まだチケット入手が可能な場合もセレクト。聴き逃さないでね!

孤独な祝祭 佐々木忠次

バレエとオペラで世界と闘った日本人

追分日出子 著

文藝春秋

 クラシックの世界には、海外からのアーティストやオペラ座を招聘する仕事がある。
 16年間の長きに渡る粘り強い交渉でミラノ・スカラ座を招聘し、ウィーン国立歌劇場など世界一流のオペラハウスの引っ越し公演を実現し、さらに指揮者のカルロス・クライバー、バレエのジョルジュ・ドンをはじめ、伝説的なスターを次々に来日させたインプレサリオ(興行師)が、佐々木忠次である。
 彼は日本舞台芸術振興会(NBS)を設立して招聘業務を遂行する一方、東京バレエ団も創設し、海外公演も実現させた。
 佐々木忠次は、1933年東京に生まれ、2016年4月30日に亡くなった。享年83。
 その壮絶なまでの人生、自分が見たいもの、聴きたいものを日本に招聘することに命を賭けたひとりの人間の物語が1冊の本になった。
 これは美と芸術に殉じた、ササチュー(彼の愛称)の生きざまを描いたストーリー。途中で止められないほど興味深く、ぐんぐん引き込まれていく。
 彼のモットーは「諦めるな、逃げるな、媚びるな」。この信条で世界の人々と交渉を重ねてきた。その姿勢は、私たちに生きる勇気を与える。

0
孤独な祝祭 佐々木忠次

ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル

4月19日

東京オペラシティコンサートホール

19:00

 ナタリー・デセイが待望の初来日公演を行ったのは、2004年9月のこと。コンサートでは、得意とするオペラ・アリアが凄みを帯びたすばらしい歌唱でうたわれた。とりわけ驚異的な集中力に支配されたドニゼッティ「ランメルモールのルチア」が印象的で、会場が息を殺したように静まり、みな「狂乱の場」に酔いしれた。2010年のトリノ王立歌劇場の日本公演では、ヴェルディ「椿姫」のヴィオレッタを熱演し、従来のヴィオレッタ像をくつがえす新しいヒロイン像を生み出した。         
 その後、2014年に日本でリサイタル・デビューが行われ、フィリップ・カサールと組んでさまざまな作曲家の色とりどりの歌曲を選んで集中力に富んだ歌声を披露した。そのコンビが、再び来日する。今回はモーツァルト、シューベルト、ドビュッシー、グノーなどのオペラ・アリア、歌曲が詰まったプログラム。また、あの深い表現力に、席を立てないような感動が巡ってくるに違いない。

写真 Simon Fowler.jpg

0
ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル

《 前のページ 1 次のページ 》